Blue Pirates
ロゼッタはこの船に乗せられた初日に、ブルーの船長であるルーベンからそう言われた。ブルーの船員の多くは不思議な力を使うことができ、ルーベンは風を操ることができる。

「ロゼッタちゃん、仲良くしてね!女の子と話すなんて久しぶり!」

火を操れるアルビーにロゼッタは抱き付かれそうになり、慌てて避けたことがある。あの時のアルビーの傷付いたような顔は忘れられない。

「それにしても、めちゃくちゃ美人!ちょっとだけ触っていい?」

水を操れるスコットが手を伸ばしてきた時には、ロゼッタは耐えられなくなって彼を思い切り叩いていた。一瞬その場が凍りついたが、ルーベンと光を操れるエレンが大爆笑し、その場はまた明るくなった。

「短い間ですけど、よろしくお願いします〜」

エレンが優しく微笑み、手を差し出す。その手をロゼッタは恐る恐る握り、握手を交わした。

ロゼッタはとある国の港街で妹であるイリーナと二人で暮らしていた。両親は数年前に亡くなり、大変ながらも楽しい毎日だったのだ。街に海賊が現れるまでは……。
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