【完】スキャンダル・ヒロイン
昔からあまりミーハーな方ではない。だから皆がかっこいいとか好きとか言う人気者には余り興味がなくって、それで恋のきっかけを逃してきた節はりっちゃんの言う通りある。
けれどそんな私から見たって、昴さんは素敵な人で。
「うわぁ、すごい荷物じゃん。買い物行ってたの?」
「は、はい。新宿に友達と行ってました…!」
緊張してがちがちになっている私に、くすりと小さな笑みを落とす。
完璧なのに顔をくしゃくしゃにして笑うその顔はやっぱり甘いんだ。
「はは、何で敬語だよ。」
「いえ…だってそれは…大滝昴さんだし…超人気俳優さんですしッ!」
思わず目を逸らしたくなるほどかっこいい…。
「何だよ、それ。普通に接してよ?特別扱いされるのってあんまり好きじゃないんだ。
それにしても本当に大荷物。俺今から部屋に行くから運んであげるよ」
かっこいい上に優しいなんて、どう育てられたらこうなるのだろう。
「そ、そんな!昴さんにそんな事させられませんッ!」
昴さんは私の荷物を両手に抱えて、また顔をくしゃっとさせて笑った。
「だから敬語止めてってば。さ、行こう」
もうとろけてしまいそうです~。
かっこよくって優しくって紳士的で、悪い所ひとつもない。さっきから心臓が忙しなく動いているのが分かる。
もしかして私って案外ミーハーな所があるのかもしれない。いや…これは私だけじゃなくたって全国の女の子皆がときめいちゃうよ。
しかしさっきから視線が突き刺さるように痛い。背中に向けられる負のオーラは振り向かなくたって分かる。