【完】スキャンダル・ヒロイン
「俺はあんまり周りから心配されないタイプではあるね。
でもさ、坂上さんってグリュッグでは敏腕マネージャーって呼ばれてるんだ。彼にマネージャーになって欲しいって人多いんだよ」
「さ、坂上さんがッ?!」
とてもとても敏腕マネージャーには見えない。私の知っている坂上さんは少しだけほわーっとしていて、どこか頼りない。
けれど…確かに映画の現場でも大汗を掻きながらも走り回っていたのも、彼だ。
「真央が仕事を休んでいても、彼は決して真央のマネージャーから降りようともしない。
それどころか全部俳優姫岡真央の為に動いているような人でさ。ここで姫岡真央は終わらせられないって社長に直談判するような熱い人で…
坂上さんだけじゃないよ。山之内さんも何人もタレントを抱えてるベテランだけど、あの人にとってもやっぱり姫岡真央って存在は特別なんだ。
俺はさー…何でも飄々とこなすと思われてるけど…そんなに事務所に期待もされてないと思うよ。
ここ1年知名度を上げてきたのも休んでいる真央の仕事が回ってきたってのもあったから」
「そんな……。
でもどんな仕事であってもそのチャンスを確実に自分の物にして結果を残しているのは昴さん自身でしょう?
本当の実力がなかったら結果には残せないと思います。だからやっぱり昴さんだって凄い人なんだと思います。」
向き直って笑顔でそう言ったら、さっきと同じふわりとした優しい笑顔を向けて笑ってくれた。
「ありがとう…。やっぱり静綺ちゃんって優しいんだね。俺、優しい人って好きだよ」