【完】スキャンダル・ヒロイン

「もう、昴さんは天然で女の子をキュンキュンさせすぎです。そんな風に誰にでも優しいから元彼女さんにも振られちゃうんですッ。
じゃあ私部屋に戻ります!昴さんから頂いたDVDちょっとずつ見ますね!昴さんも撮影で忙しくなるんだからゆっくりと休んで下さいね」

そう言って出て行こうとしたら、ベッドから立ち上がった昴さんは私の目の前にやって来て、ドアに手をかけてまた大きな瞳で私を見下ろす。

吐息が伝わってしまう位顔を近づけて、囁くように「おやすみ」と言った。

だからそういう所がー!女の子を誤解させちゃうんだってば…!


部屋に戻ると、テーブルの上に放置していた携帯の画面いっぱいにラインの通知。

『おい』
『返事をしろ』
『昴の部屋で何をしている?』
『まだ部屋にいるのか?』
『返事しろつってんだろ、ブス』
『おいって!』

ストーカーは一体どっちだ。大体話があるなら昴さんの部屋に来ればいいものの…。
思わず笑みがこぼれて『うるさい』とだけ返信。

でも気持ちは明るかった。何よりも嬉しいニュースを昴さんから聞いたから。

真央が仕事を復帰する。どうしてこんなに嬉しいんだろう。 と思った途端に思い出す。昴さんから聞いた真央の元カノの事。

携帯で「南条 岬」と検索をする。人の事を言えないストーカーっぷりが自分で呆れる。

そこには知りたくもなかった情報がつらつらと並んでいる。

10年に1人の逸材。日本を代表するアイドルグループSARARAを牽引するエース。とでかでかと書かれている芸能ニュースの横に、さっき昴さんに見せて貰った彼女の顔写真が載っている。
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