【完】スキャンダル・ヒロイン
坂上さんは相当ショックを受けていたらしく病室で「僕の責任だ」と項垂れてたので、病院の手続きやら事務所への連絡は昴さんが全てしてくれた。本当に頼りになる人だと思う。
慌てて山之内さんが病院に到着した頃に、真央は病室で目を覚ました。
「僕の責任なんです。真央くんが具合い悪いのにずっと気づかずにいて…
マネージャー失格です。申し訳ありません…」
「何ともなくってホッとしたわ…。坂上さんもあんまり自分を責めないで」
「でも僕が…僕がちゃんと気づいてあげれていたら…」
死にそうな顔で頭を下げる坂上さんは今にも泣きだしそうだった。
「坂上さんのせいじゃねぇ」とベッドで横たわる真央はずっと言い続けていたけれど、坂上さんは「僕のせいだ」とずっと繰り返し続けた。
誰が悪いとか悪くないの問題ではない。けれどその姿を見ていると胸がぎゅっと締め付けられる。
真央は自分の仕事を責任もってこなしたかっただけ。坂上さんはマネージャーとしてそれを支えたかっただけ。山之内さんは複雑な表情をしていて、それでも私に無理に撮影を続行させないでいてくれてありがとう、と頭を下げた。
点滴が終わって寮に帰る事になる。1日入院をした方がいいと言われたが真央はそれを断固拒否した。
代わりに明日朝いちで病院に来るという事で帰れる事になった。点滴を終えた後、顔色がさっきよりずっと良くなったので安心した。
寮に着いたら瑠璃さんと豊さんが一目散に駆けつけて、真央の心配をしていた。真央は「大丈夫」と皆に繰り返し言って、その日は直ぐに部屋に行って休むことにした。