【完】スキャンダル・ヒロイン
「明日は朝の情報番組で生放送に出演するからな。朝はバタバタしてると思ってな。
挨拶もあんまりゆっくり出来ないと思ってだな」
「それは大変…!起きるのも早いんでしょう?早く寝なくちゃ。あなた基本体が弱いんだから」
「人を軟弱体質のように言うなーッ!」
コロコロと表情の変わる所もいつも間にか目が離せなくなって、気になる存在になっていたんだ。
「まぁ…お前の飯が食えなくなったらまた体調を崩してしまう…かもしれない。」
「あのー…レシピは一応坂上さんに託してきたよ?勿論真央の好きなオムライスもね。
坂上さん張り切ってエプロンまで買っていたから頑張ってくれると思う…」
何だかんだ言って坂上さんは真央が大好きだから。
「坂上さんのご飯とか食いたくねぇよ…。汗とか入ってそうだし…。」
「もーッあんたはそういう事言うの止めなさいよ。」
「別にお前が帰って来たくなったらいつでも帰ってきてもいいんだからな。
俺は全く持って迷惑だが、このおんぼろ寮に入寮したいって奴もいねぇだろうし、部屋なら沢山空いてるしな。
それに瑠璃さんは寂しがってると思うし、豊さんだって何だかんだお前を気に入ってるようだし、まぁ……昴とは別にいつでも会えると思うけど…
まあ金に困ったらいつでもバイトしに来い」
天邪鬼な彼の言葉を裏返しにして簡潔にまとめるとしたら’いつでもおいで’と言う事だろう。
くすりと笑みがこぼれる。その顔を見てまた怒った顔をして’何を笑っていやがる’と口悪く言う。