【完】スキャンダル・ヒロイン
けれど今日1日の事でたっくんとしおりの件はすっかりと忘れている自分がいた。
今日あった事が印象強すぎるせいなんだ。一気に色々な事が起こり過ぎたせいだ。
ともあれもう働く事になってしまったんだろう。このひと夏。
「よっしゃーやるかー!整形費用貯めるかぁ!!」
なんて…整形なんて絶対怖くて出来る気しないけどね。
大きな声で窓から叫んだら、「ぷっ」と笑い声が何故か後ろから聴こえた。
ベッドから慌てて立ち上がり、ドアの入り口を見て見ると
そこには何故か姫岡さんが立っていた。悪魔のような笑みを浮かべて――。
ただの真っ白のティシャツとジーンズ姿なのに、どこまで絵になる人なのだろう。さすがは芸能人…。
無造作に立っている姿まで美しいなんて、神様はやっぱり不公平だ。
「ちょっと!何を勝手に入ってるのよ?!」
「入られたくないなら鍵を閉めろ!」
「鍵が空いてるからって女の子の部屋に入って来るなんてサイッテーよ!」
「女の子?」
くくっと馬鹿にしたように可笑しそうに笑う。 悪魔!悪魔!悪魔!悪霊退散!
「お前のどこが女だ。あんな馬鹿力で俺を殴りやがって。あー痛ッ。お前に殴られた右頬がまだ痛いぞ?芸能人は顔が命なんだからな!」
絶対もう痛くないくせに!大袈裟に頬を押さえて痛がる振りをしやがって!
どこまで性格がねじくれた奴なんだ!