天使になりたかった悪魔


「こ、これ…僕の声?」


もう1度、声を出してみたけど、やっぱり僕の声だった。


「もしかして!?」


そう思って、背中に手を回すと、そこには、白いフワフワの羽はなくって、代わりに、黒いコウモリのような羽があった。


「僕は、悪魔になれたんだ!」


僕は嬉しくなって、羽をもぎ取られた悪魔のことなんか忘れた。

そして、夜になるのを待って、月の浮かぶ闇の空へと飛び去った。




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