天使になりたかった悪魔
僕は急いで荷物をまとめた。
と、言いたい所だけど、まとめる荷物なんて、あるはずがない。
僕って、カラッポな奴なんだ。
僕はなんにも、持っていない。
本当にカラッポなんだ。
荷物をまとめる必要なんてない僕は、元帥に呼び出されたと知った後、すぐさま逃げることを決意して、10分も経たないうちに、人間からは『地獄』と呼ばれている、悪魔の住家から抜け出した。
そして、人間の住む世界の空へと向かった。