愛というものより~由実ちゃんと昌くん~
なに?そのスマートなしぐさは…。
開けてくれるなんてかっこいいじゃないか。
高鳴るなって言うほうがおかしい。いい飲みっぷりだし。

「ムカつく。」

そう言って私もグイっとビールを飲んだ。
正直ビールはどのお酒よりも好きでよく飲むけど今まで飲んだビールの中で一番美味しかった。

「気は利くんだな。」

って言って上機嫌な顔をしてポテチの袋を開けて食べ始めた。

「さっきもあれだけ食べたのにビールにポテチってよく入るよね。どこに入ってるんだろうね。」

何気なく聞くと、私の手を取ってお腹に当てる。

「ここ」

なっ、意識しすぎっていうわりに自分が意識するようなことばっかり!
でもお腹を触ってみると、Tシャツの上からでもわかる腹筋。きっと割れてる。

「ねぇ、腹筋って割れてるの?」

つい、グイグイ触ってしまい、いらないことを聞いてしまった。
昌くんは服を上げるとどや顔で腹筋を見せてくれた。
でもどや顔したくなるほどにしっかりと腹筋は割れていた。

「すっごい。」

「由実はなさそうだよな。」

って私のお腹を触る。しかもここでお前じゃなく名前!

「ちょっと触らないでよ。どうせビール腹よ。」

そういうとまた鼻で笑われた。

「ムカつく」

って言うと私はビールを一気に飲み干した。
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