かりそめお見合い事情~身代わりのはずが、艶夜に心も体も奪われました~
その人はまさに、写真で確認したくれはのお見合い相手の方だった。
ゆうに180センチは越えていそうな長身のため、見上げるこちらは思いきり首を傾けなければいけないほどだ。
なのに、そんな体勢のまま目が離せない。じっと自分に向けられている端整な顔は、写真で見るよりずっと綺麗だしかっこいい。
「……あの?」
訝しげに再度彼が声を漏らしたところで、ハッとした。
慌てて椅子から立ち上がり、自分よりずっと高い位置にある顔を見上げる。
「はい! 私が立花です。あの、本日は、突然の話にも関わらずご足労いただき──」
「堅苦しい挨拶は結構です。とりあえず、座っても?」
「あ……はい、どうぞ……」
頭の中で何度も練習したフレーズをあっさり制され、拍子抜けしながらコクリとうなずいた。
テーブルを挟んだ向かい側に男性が腰を下ろす。私も少し遅れ、そろりと再び椅子に沈んだ。
「私のことは、すでにお父上からいろいろと聞いていることと思いますが──ひとまず、こういう者です」
「っあ、はい。頂戴いたします」
ジャケットの内ポケットから取り出した名刺入れから抜き取った1枚を、無駄のない動作で差し出される。
まるで仕事中かのような反応でとっさに受け取りながら、両手で持った名刺に目を落とした。
ゆうに180センチは越えていそうな長身のため、見上げるこちらは思いきり首を傾けなければいけないほどだ。
なのに、そんな体勢のまま目が離せない。じっと自分に向けられている端整な顔は、写真で見るよりずっと綺麗だしかっこいい。
「……あの?」
訝しげに再度彼が声を漏らしたところで、ハッとした。
慌てて椅子から立ち上がり、自分よりずっと高い位置にある顔を見上げる。
「はい! 私が立花です。あの、本日は、突然の話にも関わらずご足労いただき──」
「堅苦しい挨拶は結構です。とりあえず、座っても?」
「あ……はい、どうぞ……」
頭の中で何度も練習したフレーズをあっさり制され、拍子抜けしながらコクリとうなずいた。
テーブルを挟んだ向かい側に男性が腰を下ろす。私も少し遅れ、そろりと再び椅子に沈んだ。
「私のことは、すでにお父上からいろいろと聞いていることと思いますが──ひとまず、こういう者です」
「っあ、はい。頂戴いたします」
ジャケットの内ポケットから取り出した名刺入れから抜き取った1枚を、無駄のない動作で差し出される。
まるで仕事中かのような反応でとっさに受け取りながら、両手で持った名刺に目を落とした。