東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18
黒崎さんが同席しているからだろうか? それとも本当に申し訳ないと思っているとか?
どう受け止めていいのかわからず、どぎまぎしている間に彼らは「お先」と行って席を立った。


「すみません、ご馳走になります」

なんとなく丁寧に頭をさげて礼を言うと、彼は薄く笑みを浮かべて頷いた。

久しぶりに間近で見たせいか、目元の小さなホクロがやけに色っぽく見えて、胸がキュンと跳ねた。

既に歩き出している彼は、綺麗な後ろ姿を見せている。

スラリとした背中にぴったりとフィットしている上質なスーツは、皺ひとつない。

黒崎も同じくらい背が高くてスタイルがいいので、通り過ぎる客席のご婦人がたは、老いも若きも振り返って彼らを見ていた。


――何頭身だろう? 足長っ。

生まれながらにして金も権力も、美貌も。彼はなーんでも持ってる。ずるい。

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