東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

「さあ、これで大丈夫だな」

書類の束をまとめた東堂大毅は、まるで重たい肩の荷を下ろしたようにぐるりと首を回した。
そして、やけにすっきりした表情でふぅっと息を吐く。

ここ数日の彼は、いつ寝ているのかと思うほど働いている。見れば薄っすらと目の下に影がでていた。

いま特にしなければいけない仕事があるわけじゃない。

通常の仕事のほかに、暇を見つけては携わっている仕事の整理をしているようだった。
副社長である彼が直接窓口になるようなことはないが、現時点での問題点や今後起こりうる事案の対処方法など、細かいチェックをしているらしい。

実家の東堂邸に帰った日を除き、仕事は深夜に及ぶことがあり、昨日などは時間にして二十時間近く仕事をしている。
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