東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18
「一番の問題はそこにあったのか」
玄関から出て扉を閉めると、そう言って黒崎がため息をついた。
「みたいですね」
「大毅がふられるなんて、誰が想像できる? 俺は考えもしなかった」
なあ?と話を振られた仁は、彼女が店に来た日のことを思い返してみた。
『結婚願望はないんです』
そういっていた彼女。あれは本音なのだろうか。
仁は、女心は理解しているほうだと自負している一方で、わかったところで所詮は無駄なことだとも思っている。
秋の空のように移ろいやすい女心。
だからこそ繋ぎとめようと夢中になれるわけだが、果たして自分は彼女たちの心をわかろうとしたことがあったのか。
むしろわかろうともせず、それを楽しんでいたのではなかったか。
過去の恋人たちを思い出しながら、軽い罪悪感とともにそんなことを思った。