東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18
「少なくとも嫌ってることはないでしょうけどね。あれかなぁ、大毅さん、もしかしたら、夫人じゃなくて、彼女への当てつけで消えたのか?」

ふいにそう思った。
見えない彼女の心に苛立ったのかもしれないと。

「極端なんだよ、大毅の奴。女嫌いじゃなかったのかよ」
仁とふたりきだと、遠慮のないただの先輩後輩に戻ってしまうらしい。
黒崎の口からため息と共に「めんどくせぇー」と、本音が漏れた。

「時間を作ってでもお前の店に行っておけばよかったな。クソッ」
行こう行こうとは思っていたのに、仕事が忙しくて行けなかった。問題が起きる時は、得てしてこういう時だ。
彼女が失踪したと知っていれば、もう少し気を付けたのにと悔やまれるが、今更だ。

「あはは。大変ですね、黒崎さんも」

「仁、大毅の居場所に心当たりはあるのか?」

「ないわけでもないんで、ほら、例の」
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