東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18
とまぁ仁が大毅に捕まっていた時。
叶星が向かったのは化粧室で、個室に入ると頭を抱えていた。
「どーしてあいつがいるのよっ? あー、もぉ」
東堂大毅、副社長。
よりによって会場に入ってすぐ目が合ってしまったので、しらばっくれることもできなかった。
引きつり笑顔のまま「こ、こんにちは」と挨拶をして速攻でその場を離れたが、会場はホテルの大広間のように広くはない。
どこにどう移動しようと視界の隅に入ってくる。
それでもファッションショーが行われている間は人々の移動も少なくいのでまだよかったが、それも終わると近づかないように気を付けるのにもひと苦労だ。
迂闊だった。
化粧品業界とファッション業界は密接な関係にあるのだから、少し考えればわかったはずなのにと、後悔の念に駆られながら叶星は口元をへの字に歪める。
「ったくもぉ」