保野田、意味わかんない
「わたし帰っていい?」
「まだダメ」
「あと何秒で満足する?」
「単位 “ 秒 ” なんだね、2820秒」
「は?中途半端。えーと……何分?」
3600秒が60分。1時間って結構短いなと思った。
「47分」
「計算早い」
「べつに普通」
わたしが普通じゃないのか、そうか。
「47分て何、中途半端だし、長いし」
「32番のおれと、15番の笠原さんだから」
──合わせて、47。
「47秒じゃダメ?」
「短すぎ」
「47分、長すぎ」
15番、よく覚えてたな。わたしは自分よりも後ろのひとは、出席番号順に並べることができないと思う。たぶん。