保野田、意味わかんない


「わたし帰っていい?」

「まだダメ」

「あと何秒で満足する?」

「単位 “ 秒 ” なんだね、2820秒」

「は?中途半端。えーと……何分?」


3600秒が60分。1時間って結構短いなと思った。


「47分」

「計算早い」

「べつに普通」


わたしが普通じゃないのか、そうか。


「47分て何、中途半端だし、長いし」

「32番のおれ(保野田)と、15番の笠原さんだから」


──合わせて、47。


「47秒じゃダメ?」

「短すぎ」

「47分、長すぎ」


15番、よく覚えてたな。わたしは自分よりも後ろのひとは、出席番号順に並べることができないと思う。たぶん。

< 12 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop