保野田、意味わかんない
「じゃああと20分でいいよ」
「……それなら」
頷いてから、20分も長いなと気がついた。あー、これは、嵌められた。
「ねぇ、あっついんだけど」
「プール入れば?」
「水着ない」
「足」
とんでもなく短い、わたしたちの会話。
足だけ浸かるって話だっけね、忘れてた。暑さで頭がバカになる。元からやばいから、太陽も少しくらいは容赦してほしい。
「じゃあ、足、失礼します」
わざわざ保野田が寄せてくれたというプールに、両足を突っ込む。ひやり、としたのは一瞬で、保野田の熱とわたしの熱と、太陽の本気にげんなりする。
「特別冷たくはないね」
「そういうもん」