溺愛しすぎじゃないですか?~御曹司の初恋~
お腹も空き、ようやく動き出す事にした。

昼をファミレスで済ませ、昨日買い物に行けなかった駅前のスーパーにやって来た。
李子は俺が押すカートに品物を入れていく。
二人で買い物に来た時はいつも思う。

俺たち新婚に見えるかな・・・。

一人でそんな妄想に浸りながらカートを見ると食材以外にタッパーなんかも大小入っている。


「李子?これこんなに買ってどうすんの?」

「ん?大輝の食生活心配だから作り置きしとこうかと思って。」


マジか!

李子が俺の事をそんなに気にかけてくれてるなんて、やっぱり李子は天使!いや女神だ!思わず抱きしめたくなるがそこはグッと我慢。

でも辺りをキョロキョロと見回して李子の頬にチュッ『ありがと』とキスをした。
顔を真っ赤にしながら『もう!』と怒る李子も可愛すぎる。
気分上々でスーパーを出たところで急いで李子の腕を取り物陰に隠れた。


「なに?どうしたの?」


いきなりで訳が分からない様子の李子。


「しーっ。アイツがいる。」


アイツ?と首をひねり俺の目線の先にいる広瀬を見つけたようだ。


「うそっ!」


思わず大きな声を出してしまった李子の口を慌てて塞いだ。
広瀬はキョロキョロと辺りを見回し誰かを探している。

たぶん俺を・・・。

見つかり昨日のようにまとわりつかれるのも迷惑だ。
それに後を付けられでもして家を特定されたら、もっと面倒くさい事になるのは目に見えている。帰宅するのに倍の時間はかかるが遠回りで別の出入り口から帰る事にした。

広瀬に見つからず家に戻りソファーに腰掛けやっと落ち着いた。


「大輝これから大丈夫?毎日駅で待ち構えられてたらどうする?」

「それは無いと思うけど・・・、引っ越し考えようかな。ここ気に入ってたんだけど気にしながら住むの嫌だし、俺がいない時に李子が出会って何かあっても困るしね。」


確かに昨日チラッと顔を見ただけで李子の事を覚えてると思わないが、不安は残る。
李子が一人で来ることもあるし、この家引っ越すか?


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