母を想えば
挨拶代わりというか、
久しぶりの日常風景が展開される。
早苗さんに思いっきり殴られた、
このお方の名前は真田ダイゴさん。
俺が勤めるムコウジマ警察署 強行係において絶対的な存在のお方だ。
普段はヨレヨレのスーツを着て、寝ぐせがピンと立ってる頼りない見た目だけど、
事件となると発揮される恐ろしく鋭い観察眼と、突拍子も無い聞き込みから核心へと迫り、
時には犯人をも嫌らしく追い詰める。
そんな刑事ドラマのモデルになりそうな真田さんとコンビを組んでもう8年ぐらいか。
真田さんはとある事件をキッカケに、
“謹慎処分”を言い渡されていた。
しかもそれが通算二度目だったから、
長きに及んだ謹慎期間。
今回の事件は県警に捜査の主導権を握られたけど、
それでもこの人が久しぶりに帰ってきてくれて心強いのは間違いない。
「じゃあ早苗。さっそく頼むわ。
戸籍・住民票・職歴もろもろ。
データベースで拾えるものは全部拾ってちょうだい。」
「了解。何か分かったらすぐ連絡する。」
「うしっ、じゃあ小西。行くか。」
「まずはどこから攻めますか?」
「コーヒー飲みたい。」
「・・・・はい?」
「まずはムコウジマ1の珈琲屋でモーニングだな。」