母を想えば


―――――― 


早速、署を出て聞き込み・・

と思ったけど、署内を移動して鑑識班の作業場へとやって来た。


「あ~~~。やっぱ長さんが淹れるコーヒーは美味いな。」


「まったく。なんじゃその格好は。

復帰初日ぐらいビシッとしたスーツで来いよい。」



長野さんのコーヒーをご馳走になりながら、
改めて解剖資料を見せてもらう。


「真田さんもやっぱり、

この事件の鍵は“どっちが先に仕掛けたのか”だと考えてるんですか?」


「まぁどっちでもいいんじゃない?」


「ですよね~・・・って!!」


“いきなり何言っちゃってくれるんですか!?”と口を動かそうとした所で、

それを察知した真田さんがヒョイッと避けて長野さんの肩を揉み始める。


「長さんはどっちだと思います?」


「おいおい真田。
ワシは検死専門で推理は苦手だぞい?」


「そうじゃないですよ。」


「・・・?」


「これまで数々の刺殺体を見てきたベテラン鑑識お爺ちゃんから見て、

杉内検事長の命にトドメを刺したのは、

“お腹の刺し傷”と“背中の刺し傷”、
どっちだと思いますか?」


「あぁ~そっちかい。
それなら明白じゃ。

傷口の深さから見ても、
“背中”のほうじゃよ。

出血はもちろん、脊髄まで達しとったから呼吸困難に発展して力尽きたに違いないわ。」


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