母を想えば


「20年ほど前、ここセイズで再び“連続撲殺事件”が起きました。

被害者は10代後半の女子中学生から高校生。

大変残念ながら、6人の罪無き女生徒が被害に遭ってしまいました。」


「それを犯したのが・・
“才谷ヒロシ”ですか?」


「はい。

ただ、当時の状況証拠や捜査から、

“犯人は2人いる”・・
“複数犯”だと私達は暴いていました。

・・・というより、

私が被害者の方々から聞いた証言から、

“犯人は2人”
“才谷以外にもう1人の主犯格がいる”

と結論しました。


当時、私のこの力を知っていたのは梅田係長のみ。捜査を主導していた県警の人達に、

私の力を隠した上で“複数犯”の事実を訴えるには相当の骨を折りましたけどね。」



「・・・あ!」


「・・どうしました?」






《テツさんは死者が視える事を“仲間に打ち明ける”という選択を取った。

もちろん初めは誰も信じなかったし、

“マジで頭ヤバい奴”と思われて・・
薬物の検査もされたらしい。


だが最初に信じたのが、
当時係長だった梅田さんだそうだ。

あとは“論より証拠”。

テツさんが被害者と話をして犯人を割り出して、皆がそれに基づき捜査を進めて、

実際にそれで幾つもの難事件が解決されたと同時に、テツさんの力は証明された。》



ここに配属された初日。

関本主任から初めて教えてもらった豊川さんの話を思い出した。


きっと・・・この事件がきっかけの一つだったに違いない・・。


< 12 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop