183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
理解してもらえた喜び。離婚まであと149日

ゴールデンウイークも過ぎ、暦は五月中旬。

まだ蒸し暑くはないが気温はぐんぐん上がり、今日の最高気温は二十九度予報である。

街路樹の緑は陽光を浴びて輝き、眩しいほどの晴天だ。

時刻は正午。きっと外は、日陰を求めたくなる暑さだろう。

けれどもここは天気など関係ない、年中快適な温度と湿度に設定された副社長室である。

芹沢柊哉は木目の美しいL字形の執務机で、デスクトップのパソコンに向かっている。

頬杖を突き、マウスを操りながら、無意識に舌打ちをする。

(なんだよ、真衣の奴は。俺が悪いのか? 違う。あいつが変わっているんだ)

真衣と結婚し、今日でちょうどひと月になる。

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