183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
その点については納得した様子の真衣を、柊哉はさらに責める。

「ランチの相手が女だと、なぜ嘘をついた?」

「あっ……」

初めて真衣の顔に焦りが見られ、弁解がやや早口になる。

「男だと言えば、説明事項が増えて面倒だと思ったの。亮はただの同期で友人。ふたりでランチに出かけても、怪しい関係じゃない。離婚するまで恋愛しないという約束は守ってる。安心して……と言わなければならないでしょ。女だと言っておけば、そういう説明はいらない。冷やしうどんのトッピングを選んでいるところで忙しかったの」

「なるほどな」

今度は柊哉が納得する番だ。

やましいことがあるから嘘をついたわけではないとわかり、心につかえていたものが落ちた。

その上で、もうひとつの事実に気づく。

(真衣は小林の想いに少しも気づいていないようだな。恋愛ものの漫画を買い漁っているくせに、鈍感な女だ。一応、釘を刺しておくか)

真衣は口を尖らせている。

問い詰められたことに不満げな彼女に、柊哉は諭すように言う。

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