ねぇ確信犯、うるさいよ
「……ユメちゃん?おーい」
てのひらをひらひら、わたしの顔の前で振っている。
「小説に線が入っちゃったから、凹んでる?急に言ってごめんって」
「……それは、その部分だけ書き直せばいいから大丈夫なんだけど」
できる限り冷静に。自分に言い聞かす。
「ねぇ、どうして、急に」
「……ユメちゃんが綺麗だから」
「そんなわけ」
「めちゃくちゃ綺麗だよ、ユメちゃん」
「田中のが綺麗だよ」
目を逸らしながらそう答えると、
「は?」
低くて、男らしい声が飛んできた。
えっ、何。わたし、地雷踏んだの?