大切な人達よ
自分達ではもう救っては上げられない


それをちゃんと分かっていたから梓は多分桜坂高校に転校させようと考えたんだろう


けどよ、ずっと一緒にいた俺らが出来なかったことを桜坂高校の連中ができるわけがねぇ

梓もそう思ってるはずだ。

けど、可能性に掛けようと思うぐらいに澪華はヤバイ、だから生徒会の奴等も梓の考えを否定しない。


自分達以外が救うのは悔しいけど澪華のためにはそれが一番いい、救ってやれる人の近くにいてほしい。


だから、

「いいんじゃねぇ?」


そう言った俺にバッと視線を向ける


「えっ?」

お前らなんだよその顔、


「だからよ仮で桜坂高校に転校するのは一週間だけになったし、会わないように頑張れば?」


「え~、いってる意味分かってる?もしかしたら一年澪華だけ別の学校に行くんだよ~?」


知ってる、お前らと同じぐらい考えたつもりだ


けど、「俺らじゃ救えなかっただろ?」

「「「「「っ、、、」」」」」


皆が気まずそうに俺から目をそらす


それから少しして意を決したように春が顔をあげた


「僕澪華とあんまり会えないのは悲しいけど
澪華が幸せになるなら桜坂高校に行ってもいいと思う!一週間だけだけど!」


「そうね、一週間だけだったらいいんじゃない?」

「僕、がまん、する、澪華、大切、」

「それじゃあ、俺も賛成しないといけねぇじゃねぇの」

というかよ。
今思ったんだけど1週間でとか、救えなくね。
まぁ声に出して言うと1年行くとか言うかもしれねぇから言わねぇけど。
< 20 / 34 >

この作品をシェア

pagetop