大切な人達よ
その様子を見ていた澪華は

「わかったわ、できるだけ一週間で帰ってこれるようにするけど、」


“けど”???その言葉が妙に引っ掛かる、

「もし、私があっちの生徒会の人に話しかけられて自分達の城に連れて行かれて、」


そこで1回言葉を切った澪華に周りにいる生徒会の奴等も不安そうな顔をする


「一年桜坂高校にいる事になったら、」


「何言ってるのよ!」

「おいおい、冗談じゃねぇの~」

「何いってんだよ!」

「澪華、そんなの、ダメ、」


澪華の言葉を聞いた皆が焦って言い返した、


それに澪華は微笑むだけで何も言わない

それが俺らを余計に焦らせて、


「梓、貴方が一年間生徒会長をやって欲しいの、」

その言葉を聞いた瞬間頭が真っ白になる、


だって、一年間桜坂高校に行くことを澪華は望んでる

ってことなんだろ、
俺らがそんな事を考えてるのが顔を見て気づいたのか澪華は首を横にふるふると振った

「あのね、別に一年間なんて行きたくないけどもしもの時の保険なの、」

は?保険?

全く意味のわからねぇ単語に首を傾げる俺達

それに澪華は微笑む


「もし不本意で一年間桜坂高校に転校する事になったら生徒会長がいないでしょ?そのときは梓にお願いしようと思ってたの、でもいきなりだし慌てるでしょ?だからいきなりよりは早く言った方がいいかなって思ったのよ」


なんだ、なんだ、ビックリしただろ!

俺らから離れたいのかと思っちまったじゃねぇか!

「この際だから皆にも発表するわ、梓がもし生徒会長になったら恭哉、」


いきなり名前を呼ばれてビックリしている俺に

“恭哉は副生徒会長ね”と言いやがった


「って、はあぁぁぁ!正気かよアホ澪華!?」

そんな俺の言葉に澪華は眉を寄せて


「私恭哉よりアホじゃないわよ。」

いや知ってるよ!お前が天才なのは知ってるけどよ。

っていうか、お前にテストで勝つなんてむりだろ。


そんな俺らのやりとりをみていた梓が

「恭哉のことはどうでもいいから話進めて欲しいんだけど!っていうか恭哉と話すなら私と喋ればいいのに」

むー、と口をへの字にして俺をにらむ


「おい待て、俺お前の彼氏じゃねぇのかよ、澪華じゃなくて俺に嫉妬すんのかよ!」


そんな俺の言葉に「澪華の何処に嫉妬すればいいのよ、まぁスタイルのよさとか頭の良さはいいなと思うけど」

まじでお前俺の事好きかよ!
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