元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する
「製薬製品開発部の渡部さん、桑野さん、石崎さん、友永さん、倉科さん、雷さん、高橋さん」
目を合わせた社員の名前を呼んでいく瑠衣に会場からどよめく声が漏れる。

杏奈だけではない。
会場にいるすべての社員が瑠衣のすごさを見せつけられた瞬間だった。

「会場にいる皆さんの名前は既に写真と名前、部署の載っているデータを見て把握しています。それから各部署の活動報告書2年分とこれからの活動計画書もすでに私の頭の中には入っています。おかげで、今回の資料が間違っていることにすぐに気が付くことができた。むしろ誤った情報の資料を作るのに、わざわざ違った計算式で間違った数字を出す意欲に私はうれしくなりました。」
杏奈は自分が渡した会議資料が間違っていることに気づかなかったことを反省した。

杏奈から間違ったデータの載っている会議の資料をみせられて、瑠衣はどう思っただろうか・・・。

突然の再会で、どう関わったらいいかわからないながらも、ずっと想い続けていた瑠衣を陥れたいなんてこれっぽっちも思っていない杏奈。
むしろ昔の情があふれて、支えたいとも思っていたのに、なんてことをしてしまったのだろうと悔しくて両手をギュッと握り閉めた。
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