元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する
瑠衣からの意外な話題に、杏奈は不思議がりながら「はい」と答えた。

いつもは仕事中に杏奈と呼ばれても苗字に言い換えたり、苗字で呼ぶことを瑠衣に言う杏奈。
でも、そこを考える余裕がないほど、自分自身に悔しさを感じていた。

「ここに座る人がいかに仕事しやすいか考えられた配置。すげー助かる。それに、すげー考えて設置してくれたんだろうなって伝わってうれしいよ。」
「・・・そうですか・・・」
「それに絶妙なタイミングで出てくるこの俺好みのコーヒーも。その時に必要な状態で出してくれて、さすがだな」
「・・・そうでしょうか・・・たかがコーヒーです」
さっきまでの険しい表情から打って変わって、瑠衣の表情は温かく優しくなる。
「あんなにとってはたかが机の配置でも、たかがコーヒーでも、今の俺にとってはすっげーでっかい支えだよ。ありがとう」
「・・・仕事でもっとサポートできるように頑張ります。」
杏奈もつい本音が漏れる。

ちゃんと仕事で瑠衣をサポートできる力が自分に足りていないと反省しながら言った言葉に瑠衣がふっと笑った。
< 42 / 330 >

この作品をシェア

pagetop