捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 鳴がぐすぐす言いながら床に落ちた積み木を指さす。おそらくこれを積み上げて遊んでいた際、手に落としてしまったのだろう。

「いたいいたいだよ……うう……」

「あとで積み木さんにはだめだよって言っておくからね」

「うん……」

 すり、と顔を胸元に押し付けられて背中をとんとんと撫でる。

 私が来たことで安心したのか、すぐに落ち着きを取り戻してくれたけれど、なんとなくこのタイミングで鳴と接する状況になったことに複雑な思いが芽生えた。

(よりによって、あの人のことを思い出したときに……)

 鳴は三年前に夫となるはずだった神立涼の息子だった。彼の子供であると言い出すことができず、ひとりで産み、今日まで育ててきたのだ。

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