捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 リビングと直通になっている部屋は、もともと書斎だった。涼さんが私たちのことを考えて仕事を自宅で行うことにした結果、今はここが仕事部屋になっている。

 こんこん、とノックをしてから返事を待たずにドアを開ける。以前、本人に返事を待たなくてもいいと言われたときからそうしていた。

「涼さん、そろそろ休憩しなくて平気?」

「キリのいいところまでやり終えたらな」

「じゃあ、コーヒーだけ置いていくね」

 パソコンと向き合っていた涼さんの側へ向かい、デスクにコーヒーを置く。

 壁一面に本棚が設置されているからか、この部屋は図書館のような匂いがした。並べられた本は仕事に関係するものがほとんどで、物語や文学といったものは見当たらない。

 ここに来た日、私は涼さんに身体を許してしまった。

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