捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 それだけのことがたやすくできる人なのだと改めて感心したのは、普段接している涼さんと少し人物像がぶれるからかもしれない。他社の社長に頭を下げさせるような人が、家では息子と妻の取り合いをしているなんて誰が信じるだろう。

 鳴も保育園へ復帰し、私もぽつぽつと仕事に戻り始めていた。万が一のことを考えて、今は営業職ではなく事務職という形で芽衣子を手伝っている。

 私の望んでいた、幸せな家庭というものに近付いていた。

 ひとつ気にかかっているのは、涼さんから私を捨てた理由をまだ聞いていないこと。彼が私のなにを許せないと感じ、なにを裏切りだと思ったのか、解決していない。

 でも今更そこに踏み込むのは怖かった。やっと手に入れた今の生活をすべて失ってしまいそうでどうしても聞けない。

< 234 / 462 >

この作品をシェア

pagetop