捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 だんだん鳴がとろんとし始める。最初はこんなふうに突然眠りに落ちてびっくりしたものだった。最近はもうすっかり慣れて、寝つきのよさに感謝すらしている。

「……おやすみ、鳴」

 毛布をそっとかけて、頭を撫でる。

 鳴はこれまで私にいろんなことを教えてくれた。今はまた、こうして過ごす日々に間違いがないことを教えてくれる。

(早く本当の家族になりたいね)

 起こさないように立ち上がり、静かに部屋を出る。

 それとほぼ同時に、今日は外へ出ていた涼さんが帰ってきた。

「あ、お帰りなさい」

 まっすぐ玄関へ向かい、違和感を覚える。

 いつもだったらチェーンをかけるよりも早く私にくっついてくる涼さんが、今日はそうしてこない。

 それどころか――私を見つめる瞳がひどく苦かった。

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