捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 会場となるホテルは誰もが一度は聞いたことのある有名な場所である。一応ランチやディナーも一般人に開放されてはいるけれど、値段がまったく庶民的ではないために憧れの場にしかなっていない。特別な記念日に使われるか、もしくはお偉いさんが使う場所だという認識だった。

 そんな場所に足を踏み入れて、場違いさにどぎまぎする。同僚たちもそれは同じで、こんなときにしか着ないパーティードレスの裾を何度も不自然に直していた。私もなんとなくショールだけでは心もとない気がして、コートかなにかが欲しくなってしまっている。

「いや……きれいすぎるでしょ。っていうか、立派すぎ?」

 同じ営業の同僚が呆然と呟く。うんうん、と私も含めて数人が深く頷いた。

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