捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「きれいだな」

 噛み合わない返答をした涼さんが鳴を持ち上げる。『抱き上げる』ではなく『持ち上げる』なあたり、いまだに息子との接し方が上手ではないことを示していた。

「私のことはどうでもいいよ。鳴のことを聞いてるの」

「ドレスを着たいらしい」

「……え?」

「お前と同じ格好がいいそうだ」

 ええと、と言葉の意味をゆっくり咀嚼して足元の鳴に目を向ける。

「……鳴」

 呼ぶと、鳴は涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げた。

「ママとおそろいがいいのぉぉぉ」

「ほら」

 言った通りだろう、と涼さんが目を細める。この人はこの人で、こんな鳴にちょっと困っていたようだ。

(これは……うん、どうしようもない)

「鳴、あのね」

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