捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 もうドレスに顔を押し付けられても仕方がない。落ち着かせるために名前を呼び、抱き締めてとんとんと背中を撫でた。

「ママとおんなじ格好はできないの」

「う……なんでぇぇぇ」

「だって、鳴にはもっとかっこいいお洋服があるでしょ? パパと同じだよ」

「パパとおなじやだぁぁぁぁ」

「ママはかっこいいと思うなあ」

 鳴に関してはかわいいという感想しかないけれど、少なくとも涼さんはかっこいい。でも、鳴はそんな言葉を求めていなかった。

「なるくんもママとおんなじにするぅぅぅ」

「どうして?」

「ママのおへやいくのぉぉぉ」

 ああ、なるほど。ようやく鳴がなぜこんなことを言い出したのか理解する。

「鳴はママとおんなじお部屋で待ちたかったんだね」

 こくこくと何度も頷かれて苦笑する。

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