捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 唇を割った舌は私のペースに合わせて絡んできた。息が苦しいのか、胸が苦しいのかもうわからなくて、涼さんの肩口を掴む。

 その瞬間、痛いくらい強い力で抱き締められた。優しかったキスが荒々しく変わり、唇の間から漏れ出た声と吐息さえ奪われる。

「ん、やっ……」

 思わず手に力を込めると、服越しに肌を引っ掻いた感触があった。それでも涼さんはキスをやめてくれない。

(やだ。嫌だ……)

 隠したいものが全部暴かれてしまいそうで怖い。今日まで抱き続けていた恨みと憎しみが、『好き』の感触で塗り潰されていくのが怖い――。

「やめ、て……お願い……」

 子供のように泣きながら、何度も涼さんの肩を叩く。

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