捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 これまでずっと我慢してきたのに、とうとう溢れだしてしまった。

(――私、まだこの人が好きだ)

 涼さんの長い指が私の涙を拭ってくれる。

 それでいてなんの言葉もなく、また様子を窺うように口付けられた。

(泣くな、泣くな、泣くな。キスされて嬉しいなんて知られたくない……)

 強引に引きずり出された気持ちがさらけ出される。

 三年間、この人のことを憎み続けていたはずだった。再び出会ったことでその思いを新たにしたはずなのに、たった一度名前を呼ばれ、あの頃と同じキスをされただけで、なにもかも溶けて消えてしまう。

(もう一度キスされたいなんて思ってなかったはずなのに……)

 少しずつキスが深まっていく。

< 40 / 462 >

この作品をシェア

pagetop