捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 それ見たことかと得意げな顔をされて腹立たしい。

「都合がいいときだけ結託しないでよ」

 普段は私を取り合って喧嘩するくせに、と軽く睨んでおく。そんな子供じみた抗議など、涼さんには通用しないけれど。

「なるくんね、パパとおそろい」

「そうだね。かっこいいね」

「でしょ」

 すっかり機嫌を直した鳴がにこにこ笑っている。まだ目元は赤いけれど、この様子なら本番までに引くだろう。

 ほっとしたのも束の間、壁にもたれて腕を組んだ涼さんが眉間に皺を寄せる。

「どうして鳴には言うのに、俺には直接言わないんだ」

「拗ねてるの?」

「当たり前だ」

「……堂々と言われても困るんだけど」

 思えば、涼さんは私を見てすぐきれいだと言ってくれた。私は見とれただけでなにも言っていない。

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