捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 買い物の概念が違いすぎて眩暈を感じた結果、デートのときの食事と服ぐらいは甘えさせてもらうことにした。食事は胃の問題もあることから大きな問題はなかったけれど、服は大変だった。デートがあろうとなかろうと、涼さんが私に着せたいと思ったものを手あたり次第寄越してくるというとんでもない事態になったのだ。

(私の身体がひとつしかないことを忘れてたとしか思えないのよね)

 このままではひとり暮らしの小さなアパートが住居ではなくクローゼットになってしまう――と危機感を覚えて止めた日も、この人は「一緒に海に行きたい」と呑気なことを言って水着を用意しようとしていた。

 懐かしくて笑ってしまう。ほんの少し前までは思い出すのも苦痛だったのに、今は素直にあの頃の思い出を振り返ることができる。それが、嬉しい。
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