捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「私を好きになったきっかけは、あの直談判なんだっけ」
「いや、そのあとだな。あれは名前を覚えたきっかけだ」
「ああ……そっか」
この人は社長という立場でありながら、他人について記憶するのを引くほど苦手としている。末端社員全員の顔と名前を一致させろとは言わないけれど、頭に入っているのが普段接することの多い秘書だけというのは問題だろう。
そうなると他社の社長とどう交流しているのか気になり、以前聞いてみたのを覚えている。呆れたことに涼さんは「呼ばないから関係ない」と当たり前のように言い放ったのだ。