捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 翠はきっと俺にそっくりだろうと言うに違いない。それを言うときの少しうれしそうな、誇らしげな、それでいてなんとも言えない苦笑は見ていて飽きなかった。

 手を伸ばして、出会ったときと変わらない艶やかな髪をひと房つまむ。

 その柔らかな手触りを今夜独り占めできない事実にまた不満を抱いたものの、かつて触れられなかったことを考えれば、こうして触れても許される時間があるだけで充分だろう。

(明日は俺と寝よう)

 髪を指に絡めながら口元へ寄せる。そこにキスをしてから、翠に顔を寄せたときだった。

「……やっぱり来た」

 眠っていたはずの鳴が軽く身体を起こしている。

「絶対来ると思ったんだ……」

「誰の家だと思っている。どこへ行こうと俺の勝手だろう」

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