捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 泣きそうになって内心焦る。咲月の泣きどころはよくわからない。

 面倒を見ていたのに泣かせたと思われたら、怒られてしまうだろうか。慌てて咲月の機嫌を取ろうとしたとき、ふと視界に影が差した。見上げると、パパが立っている。

「どうした」

 答える前にパパが咲月をひょいっと持ち上げた。軽いわけでもないのに、よく片手で持ち上げられるなあといつも思う。

「さっちゃんが俺のポケットに折り紙入れたんだ。だけど溶けてなくなっちゃったから泣きそうになってる」

「そうか」

 今の説明で伝わったかはともかく、パパの視線が俺から咲月に向いた。

「そのぐらいで泣くな。折り紙ならまたくれてやればいい」

「パパのぷぜれんとは?」

「ん?」

「さっちゃん、パパにもあげたの」

「……気付かなかったな」
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