捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「あの子の前では普通の夫婦らしくしろと」

「物分かりがよくて助かる。あなたのそういうところは好きだわ」

 涼さんがまじまじと私を見つめてくる。あんまりにも見つめられて顔に穴が開くかと思ってしまった。さりげなく目を逸らすと、ふ、と笑う声が聞こえる。

「……俺もお前の遠慮知らずなところが好きだな」

 周囲の雑音に紛れるくらい小さな囁きは、たしかに私の耳に届いてしまった。

 以前は何度も聞いた『好き』の言葉をまた聞くことになるとは思わず、切なく胸が疼く。

(期待しないって言ったそばから……)

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