捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 不安をすべて言い当てられて情けないことこの上ない。しかも気遣われてしまった。この人の前で不甲斐ない姿など見せたくはなかったのに――。

「鳴より、お前の方が心の準備を必要としているんだろうな」

「っ……」

 軽く後頭部を引き寄せられ、涼さんの胸に顔を押し当てられる。

 ぽんぽん、と頭を撫でられて、ひと粒だけ涙をこぼしてしまった。

 こうやって甘やかすように撫でられるのが好きだった。私の感情に寄り添ってくれるところが好きだった。うまく言語化できない気持ちを言い当てられるのは悔しいこともあったけれど、なにもかもわかってくれるのがうれしくて、いつまでもそばにいたいと強く願っていた――。

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