捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 服を買うためだけに長い時間を過ごし、今度は外をぶらりと歩く。もう目的はないとわかっていた。でも、先ほどのように帰ると言い出せない。手を握られているせいで、心が揺れる。

「このあとはどこへ行くの?」

「どこへ行きたいんだ」

「別に。もともと私から言い出したことじゃないし。あなたはないの?」

「お前がないなら、ない」

「そう。なら、ちょっと休憩する? そこでコーヒーでも買いましょ」

 私が示したのは、ずいぶんとおしゃれなコーヒーショップだった。テイクアウトもやっているようで、辺りにはその店のロゴが付いたカップを持った人々が何人もいる。

「いろいろ買ってもらっちゃったし、私が買ってくるね。ここで待ってて」

「いい。俺が行く」

「あ、ちょっと」

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