捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 でも、この人にしか許せないそれを、この人にだけは許したくない。

「鳴の前では仲のいい夫婦を演じるんだったな。それでできるのか?」

「できるできないじゃなくて、やるの」

「……三人で出かけるときが楽しみだな」

 皮肉のように聞こえて顔をしかめる。

 また涼さんが私に手を伸ばしてきたけれど、振り切って別の棚に近付いた。

「服、買ってくれるんでしょ。言ったからには最後まで付き合ってよね」



 結局、涼さんは普段着から靴、小物どころかスーツまで買い揃えてくれた。

 そのほとんどが私の選んだものではなかったけれど、好みと外れていなかったことからよしとする。涼さんがなんとなく満足げにしていたのも、まあいいかと思わせる理由のひとつだった。

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