捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 周囲の女性たちの視線を一身に集めているとも知らず、まっすぐ涼さんが帰ってくる。

 差し出されたコーヒーを受け取ると、当然のように隣に座られた。

「私、苦いのはあんまり――」

「ガムシロ三つとミルクが二つで足りないなら、また店でもらってくる」

 やけに具体的に言われて息が止まる。

「……なんで、それ」

「いつもそれで飲んでいただろう」

 コーヒーは好きだ。なんとなく大人びた気分になって、身が引き締まる。でも苦いものは得意としていない。だからいつもコーヒーを飲むとき、その量にかかわらずガムシロを三つとミルクを二つ入れていた。大抵の人に入れすぎだと引かれることから、かつて恋人だった涼さんの前以外でしたことはない。

「さっきの服だって……。とっくに忘れてると思ってた」

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