悪戯 ―イタズラ―

セフレが欲しいわけじゃない。

愛してしまったから一緒にいたいんだ。


満たされたいのは、カラダよりも、ココロ。


君を選んだところで後悔するだろう。


「…………ない」


スーツの内ポケットの僅かな膨らみに入っていたのは、携帯でなく、名刺ケース。


ここにあるんじゃないの?


「ウソ、ついたの?」

「はい」

「なん、で……」


顔をあげると、そこに、いつもとまるで別人のような男がいた。


じっとりとした瞳で私を見つめてくる。


強く絡み付いてくるような"彼"の目とは違う、

だんだん侵食されてしまうような目。


「……タカラ、くん」

「僕の名前知ってたんですね。(あずま)さん」
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