甘い恋には程遠い
慧「…大神の言う通りや思う。
悪意に晒されながら生きてるって
言葉は間違いやないねん。
私、昔からこんなやから。
いじめられっ子助けた次の日から
靴がなかったり。教科書がゴミ箱に
捨てられてたり。そうゆうの経験した。
せやけど、私はそれをいじめとは
思えへんかったし、辛いとも思えへんかった。
昨日まで泣いてた子が今日は笑てる。
その姿が見られるなら何にも辛くなかった。」
寂しかったんなら
泣いてくれればええのに。
桃花「せやけど、大神は…
辛いって思たんやろ?
お姉さんが…自分が…家族が…
その悪意に晒されて…辛かったんやろ?
なら、なかった事にはせんといて。
その気持ちを…仕方ないとか言わんといて。
やっぱり、私は気の利いた言葉かけらへんよ。
やっぱり、私は今も慰めたり出来へんよ。
それでも、やっぱり…言わんといて。」
私の胸ならいつでも貸すのに。